Vol.18 1999



「少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録」 (幾原邦彦監督)

 特に過大な期待はしていなかった「少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録」は、そんな中途半端な気持ちで見た僕の目を1時間ほど画面から離せなくさせてしまった。

 特筆すべきは、さらに拍車が掛かった演出の針の振り切れ方。上下左右に動く黒板や建物を始め、理屈を吹き飛ばして美学が優先された映像美には引き込まれっぱなしだ。アニメ版とは設定が別だけど、その世界観はテレビ版を一気に濃縮したかのようであり、それはつまり幾原邦彦ワールドを濃縮したような情報量と陶酔感の1時間半だった。近親相姦や同性愛的な描写は従来通り。展開も早いし、免疫をテレビ版でつけていない人には劇薬のような映画だと思う。薔薇の花びらがさらに激しく舞い散る映画版では、J.A.シーザーの音楽がもはや突出したものには聞こえない。人間としてのウテナが出てこない終盤には唖然としたけれど、それも含め意表を突き続けられる気持ち良さを味わった。

 それにしても七実のあの扱いは…好きだったのに。アンシーは映画版の方が魅力的で、それは僕が眼鏡っ娘に特に魅力を感じないためかもしれない。及川光博はもうちょっと練習する時間なかったのかよと思ったけれど、客席の女の子はビシバシ反応していたな。

(SEP/13/98)