Vol.9 1998



パッケージはなくとも音楽は鳴る 〜MP3で音楽生活は充分か?
 音楽的感動は、商業ルートに乗る際に付加されるパッケージとは基本的に無縁。そのことを再認識させるのがMP3だ。MP3とは、CDと音質があまり変らないというのが売りの音楽圧縮ファイル。それがネット上にUPされているとなれば、当然のごとく著作権云々が問題になってきて違法性の臭いが漂ってくるわけだけど、そうなると現実を直視すべく実際に聴いてみなければという気にさせられるというものだ。いや、興味本位じゃないですってば。

 プレイヤーで一番メジャーなのはWinAMPだけど、シェアウェアなので、日本語表示もできるフリーウェアのSCMPXを調達。そしてMP3のファイルを落とそうとしたのだが、平気で4MBとかあるので途中でデータの送信が止まってしまい、いきなり泣かされる。しかたないので、大きなファイル落とす時に重宝するReGetというソフトを導入して再挑戦。ここまで来るともう後には引けない。

 ちなみに置かれている音楽のジャンルは、圧倒的にJ-POPのヒットチャートものとアニソンが多い。JASRACが警告を発したために、最近はMP3関係のページが次々と閉鎖しているようで、今も存続しているページのデータの置き場所は、geocities・tripod・xoomといった海外の無料サーバーが大部分だ。 そしてダウンロード終了後、いざ音を聴いてみたのだが、確かに思いの外いい。パソコンの貧弱なスピーカーじゃ判断は難しいが、普段ラジカセで音楽を聴いてるような人には、このぐらいの音質で充分だと思う。最近話題の韓国製のポータブルMP3プレヤー・MPMANなんかだと、平気でテープよりもいい音がするんだろうか。

 お目当てのアーティストのお目当ての曲を探すのってのは手間と時間が掛かるので、ページを見てまわる中で聴きたかった曲があったらラッキーと考えた方がいいだろう。あと、ページの容量の関係で古い曲は次々と削除されるので、出まわるのは新しい曲が中心。落とすだけなら基本的に受け身だし、ジャンルもヒットチャートものとアニソンが多いので、MP3が音楽生活の中心になってくるとその辺の影響を受けてくるかもしれない。今もすでにヒットチャートものしか聴かない層とマニアックな層とで2局分化してると思うけど、それにさらに拍車を掛けそうな現象だ。気に入ったレコードは買わなきゃ気が済まない僕みたいな人間は試聴感覚で聴くわけだけど、別に音楽なんてものはマニアックに聴き漁らなくても、MP3程度の音質のヒットチャートものだけ聴いてても生活には充分だというのも真実だと思う。とはいえ、マニアックな音源をUPしてるページにも多少出会えて嬉しかったので、もっと増えて欲しいってのが正直な感想だ。

 そんな理屈をこねながらも、ついつい何曲も続けて落としてしまう。そして、僕も海賊盤や廃盤の音源をMP3にしてUPしてみようかな…なんて考え始めているわけだ。MP3のページを作るのって、自分の好きな曲をテープに編集して友達と交換する感覚に近いかもしれない。

(OCT/05/98)