ETC. Vol.5



駒沢裕城と栗コーダーカルテット
 はちみつぱいに参加していた駒沢裕城は、今や日本のスティールギター奏者としては第一人者。こなしてきたセッションも数しれません。2枚出ているソロアルバムはなかなか見つからないので、店先で見つけた時は即ゲットをオススメします。

 その彼が最近行動をともにしているのが、栗コーダーカルテット。さねよしいさ子などのアレンジを担当してきた栗原正己、THE THRILLなどで活躍する関島岳郎、THE BLUE MOUNTAINSで青山陽一のバックをつとめる川口義之、ハイポジの近藤研二の4人によるユニットです。

 で、その彼らが手にするのはリコーダー。つまり立笛です。それって小学生の楽器じゃん?なんて即断するのは愚の骨頂。演奏されるのは、各メンバーのオリジナルの他、讃美歌、古楽、バカラックなど様々なジャンルにわたります。ここにあるのは、錆びついたロック的様式美からは最も遠い、純粋に音楽を楽しむ心です。そして、暖かい木管の音色の中には、あえてこうした表現手段を選んだラディカルさも潜んでいます。

 そこに駒沢裕城のスティールギターが加われば、一層の深みが生まれるのも当然のこと。97年1月の渋谷クアトロでのライヴで共演した際には、「宇宙な感じ」すら受けるほどでした。

 そして97年11月に発売されたのが「栗コーダーのクリスマス」。その名の通りのクリスマスアルバムですが、凡百の浮かれたり厳粛ぶるクリスマスアルバムとは違い、音楽的な深さに溢れたサウンドを展開しています。このアルバムには駒沢さんも全面参加。こんな素敵なアルバム、クリスマスと言わず年中楽しみたいじゃないですか。たとえクリスマスに辛い思い出が増えたとしても、ね。


(JAN/20/98)

(この文章は、はっぴいえんど&はちみつぱいの同人誌『はっぴいえんど・はちみつぱい』に寄稿したものです。)