CD REVIEW Vol.27 (side A) MAR/1999



OOIOO "Feather Float" (POLYSTAR)
 ボアダムスのヨシミ率いるバンドだけにさぞや騒々しいのだろうと思いきや、テクノを連想するほどクール。インチキ民族音楽風やマイケル・ジャクソンの名を連呼する曲などもあって混沌としているもののどこか醒めた感触で、全体を覆うエレクトロなサウンドも含めBuffalo Daughterに繋がるものを感じる。それにしても、ジャケットをはじめとするアートワークのサイケデリックさは目眩を呼びそうなほどで、ボアVSヤン富田のマキシを買うのも忘れてこっちをレジに運んでしまった。



こなかりゆ "BULLSHIT" (POLYSTAR)
 これまでにミニアルバムばかりを発売してきて、定型外の大物ぶりを感じさせたこなかりゆは、初のマキシシングル。「BULLSHIT」は平たく言えばラップなんだけど、そんな枠に縛られることもなく、カントリーテイストの演奏をバックに自由奔放に歌い語っていて、これまた堂々としている。概発曲の英語ヴァージョン「GRANDMA IS GIRL」と「すきよ」のライヴ音源がカップリング。後者は、しっとりとした情感を漂わせていたオリジナル録音とは打って変わってアヴァンギャルドなアレンジだ。



LONDON SINFONIETTA / OLIVER KNUSSEN
"TAKEMITSU:QUOTATION OF DREAM"
(Deutsche Grammophon)
 僕がクラシックの類をあまり聴かない理由としては、詳しくないという苦手意識の他に、一般的な大衆音楽のようにフォーマットが決まっていない分、特に耳を傾けるべき部分が分かりづらくて、結局集中力が続かないことも大きいと思う。そのくせヴァイオリンの音色は大好きで、本当は交響楽ももっと聴いてみたいんだが、今から体系的に勉強というのも大変で。

 オリヴァー・ナッセン指揮ロンドン・シンフォニエッタによる武満徹作品集「夢の引用」は、オーケストラもののとはいえ現代音楽。実際に聴いてみて感じたのは、こういう音楽と生活のムードとの隔たりの大きさだ。けれど、理論と感性の間をすり抜けていくような響きは、極めて醒めた意味で幻想的な音楽に身を預ける快楽を教えてくれた。



VAN MORRISON "BACK ON TOP" (pointblank)
 タイトルからして自信満々だけど、音のほうも相変わらず安定しているR&B。音の切れがいいなぁ。かと思えば、静謐な「PHILOSOPHERS STONE」でさっそく人の涙腺を刺激するんだから困ったオヤジだ。枯れ木と枯葉に飾られたスリーヴ同様、力むばかりの表現ではない深さを感じさせてくれる。

 彼の音楽はあまり猥雑さを感じさせなくて、クリアなサウンドでストレートに迫ってくる。どの曲でもドラマを感じさせるのは、そのせいでもあるんだろう。彼の音楽はもうあまり変化することもなさそうだけれど、まだまだ勢いは衰えそうもないのが嬉しい。