CD REVIEW Vol.25 (side B) JAN/1999



青山陽一 "SO FAR, SO CLOSE" (徳間ジャパン)
 これまでに比べて音がクリアな印象だけど、メジャー移籍初アルバムだからって急に方向転換なんてことは全くない。鳥羽修と鈴木博文との共同プロデュースで、演奏もBLUE MOUNTAINSのメンバーが参加。聞き手のイマジネーションを心地よく刺激する歌詞は、相変わらずの言葉の配列の妙だ。耳に引っ掛かるメロディー/言葉/演奏だらけなのに、力んだところなんて見せない飄々とした風情で、そこに難解さや複雑さが平気な顔して同居してるのが不可思議な魅力。ちょっとその歌の奥を覗き込もうものなら、底には不条理が密林を成しているに違いない。後半に滲むブルーズ汁は熱いぜ、彼を見くびるな。薄いTシャツの下からは堅く張った骨が浮き出しているんだけど、それを包む筋肉は滑らかに動く。そんなしやかな音楽。



渋さ知らズ "渋龍" (地底RECORDS)
 不破大輔率いるメンバー不定数のフリー・ジャズ・オーケストラ、いちいち名は挙げないけれど凄腕揃いだ。各自が勝手にのたうちまわる混沌も、一丸となる瞬間の快感もめちゃめちゃ深い。個と集団がせめぎあうスリルが最高で、特にカッコいいサビ(というのか?)と即興が14分に及んで展開される「天秤」は頭の中を掻き回されるような気分。舞踏家もメンバーにいるせいかアングラ芝居のような妖しさがあって、しかも別にオリエンタル志向ではないのに、どこからか滲み出す鄙びたムードがある。土俗という言葉を連想してしまうほどの根っからの猥雑さが、海外でも評判を呼ぶ理由だろう。



四人囃子 "一触即発" (PONY CANYON)
 日本のプログレバンドの、74年のデビューアルバム。当時僕は2歳ですか。シンプルな歌詞に緊迫感が漂い続けるソリッドな演奏で、スケール感がでかいでかい。音のエッジも立っていて、今聴いても驚くほど新鮮。しかもこれ、隙が無い。プログレっていうと拒否反応を示す人もいるかもしれないけれど、言い換えれば、細胞分裂のように目まぐるしく増殖して展開していくロックだ。リズムチェンジもカッコよくて、「おまつり」や「一触即発」には圧倒されてしまう。アルバムの5曲に、シングル「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」のAB面も収録。



AL KOOPER "NAKED SONGS" (SONY)
 ゴスペルのコーラスが響く「(BE YOURSELF) BE REAL」と「JOLIE」の美しさを味わうだけでも聴く価値のある72年作品。ブーズやカントリーも取り入れ、SAM COOKEのカバーもある。吐き出し、叩きつけるような歌を聴いていると、まさに「NAKED SONGS」なのだと納得。「WHERE WERE YOU WHEN I NEEDED YOU」はイントロのオルガンが痺れる。男は男が弱さを吐露する歌に弱いのだ―と言い切りたいけど、僕だけなのか?