Vol.17 2000



駿河台ホテルプロジェクト TokyoLomoHeads II (00年11月10日 駿河台ホテル)
 このイベントは、ロモのカメラを抱えて数年前からイベントを開催してきたという集団「TokyoLomoHeads」によるもので、取り壊しを間近に控えた駿河台ホテル全体を、写真を中心とした表現で埋め尽くしてしまおうというものだった。

 1階の本来レストランだったスペースは、いきなりクラブに変貌。今夜は高校生DJによる高校生ナイトみたいなことをしていて、ラッパ我リヤの曲で女子高生たちが盛りあがっている時点で気圧されてしまった。しかしそれもまだまだ序の口、2階へ登るとそこは壁という壁、あらゆる壁面が写真で埋め尽くされ、しかも写真の配列も計算されていて、それにかかる手間と金を考えるとそれこそ正気の沙汰とは思えぬ光景だったのだ。2階だけではなく3階までそんな状態という時点でノックアウトされてしまった。

 そして写真に取り囲まれながら壁に手をあてるとその向こうには空間があって、ドアを外したホテルの各客室がある。そこに入ると、スライドが壁に映写されていたり、音楽が流されていたり、ベッドに寝る人のビデオが壁に立て掛けられた本物のベッドに映写されていたりと、それぞれ別のコンセプトが展開されているという趣向。さらには壁が引き剥がされ、隣の部屋とひとつのようになってしまった部屋も。もう僕も同行の仲間たちと各部屋の中ではしゃぎまくってテンションを浪費せずにはいられなかった。

 なかでも我々を興奮させたのは、部屋に何台もビデオカメラが用意され、その映像が別室の何台ものテレビに映し出されているというシステム。思わず半分ずつのチームに分かれ、片方のチームがカメラの前で踊り、もう片方が別室でその映像を見るという、文字に直すと馬鹿馬鹿しいことこの上ない真似をしてしまった。

 実はこの駿河台ホテルには大学生時代に来たことがあって、当時先輩が週末の深夜ここで当直のバイトをしていたので友人たちと遊びにきたことがあったのだ。そのホテルも取り壊しか…と感傷に浸りそうでいて浸らなかったのは、各部屋のコンセプトごとに刺激があって、客である僕らも妙に突き動かされるものがあったため。そこにあったのは、解体の直前だからこそ許される弾けた創造性。我々のテンションが異常なほど上がっていたのも、そのおかげということにしておこう。

(DEC/18/00)