Vol.11 1999



ニッポン放送45周年記念 20世紀アニメ紅白歌合戦 (99年12月27日 日本武道館)
 かちゃくちゃくんが懸賞で見事に入場券を当てたというので、便乗して向かった会場はなんと武道館。前日のコミケからアニメ方面の濃い人々が集まった印象の場内は、これから始まるイベントで盛りあがる準備が出来ていることを開始前から予感させるに充分だった。

 ムービーが流れ出してイベントは開始。出演者の写真が流れて紹介されていくだけで、いきなり大盛りあがりだ。まったく、なんてイベントだ!と言いながらも、山本麻里安と大森玲子を紹介されてしまっては僕も我を忘れて声援を送ってしまうのだ。

 司会は荘口彰久・麻績村まゆ子・山本麻里安の3人で、荘口彰久のトークは見事な芸だ。白のドレスに身を包んだ山本麻里安には、思わずオペラグラスを持つ手に力が入ってしまう。子安武人なんかと付き合っちゃイヤだ! かなりのボケキャラの麻績村まゆ子は、素早く話を自分に持っていく手腕がギラリと光っていた。審査員にはキングレコードの大月俊倫もいて、彼らの紹介でもまた盛り上がるのがマニアック。

 そしてアニソン紅白本編。客もすごいかった、ライトバーを振りながらちゃんと歌ごとの振りを踊ったりしていて。ときメモの声優である金月真美と野田順子が歌った際の盛りあがりは凄かったが、いや飯塚雅弓も、いやいや水木一郎が歌った時が一番盛りあがった。帝国華撃団には女の子の声が多かったな。岩男潤子は歌い終わるや泣きまくりで、会場からは「頑張って」の声。緒方恵美は、歌いながらステージの階段に腰を下ろした際のアニキっぷりがたまらない。その彼女は来年から歌手活動の際は名前を変えるらしいのだが、それに関係して「声優が歌うのなんて宴会芸じゃないですか」と発言し、一瞬ながら「20世紀アニメ紅白歌合戦」の存在意義を脅かしていた。

途中、今回不参加になった宮村優子のビデオメッセージが流れたり、客席にいたおたっきい佐々木が紹介されたりと、良く分からないほど豪華で盛りだくさんのイベントだった。また、世代別ベストワンに輝いたアニメ作品の表彰式なんてのもあって、10代で1位になったエヴァでは高橋洋子が登場。「残酷な天使のテーゼ」を生で聴けるとは、ありがたいイベントだ。

 今回僕にとって山本麻里安と並ぶメインだったのが大森玲子。彼女は音程は正しいのだが、生で聴くとかなり声量がない事実がはっきりとわかる。発声のせいなんだろうか。しかし、だからこそあの甘い声がかすれる瞬間を耳に出来るわけで、それがたまらないのだ。「15歳でまだまだ子供なんですけど」という発言も僕を痺れさせた。

 進行のところどころでゲームやアニメの宣伝が入って、利権の絡みっぷりも見せつけていた。「20世紀アニメ紅白歌合戦」というタイトルのわりにゲーム関係の歌や宣伝が占める率が高かったのも、オタク文化の現状を端的に語っているかのようだ。あと、声優っていろいろなキャラがいても結局「元気」が前提のような印象を受けたので、許容される表現の幅広さを獲得するためにも、内省的な歌ばかりのダウナー系声優歌手の登場を期待したい。

(JAN/10/00)