
エヴァに引用された音楽
ムーンライダーズ

「朝は今、駅の中」収録の 「ANIMAL INDEX」(85年)
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「マニアの受難」「ボクハナク」収録の 「DON'T TRUTHT OVER THIRTY」(86年)
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貞本義行がジャケットを担当した ベスト盤「ANTHOLOGY 1976-1996」 (98年)
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コミック:STAGE.6「ボクハナク」、STAGE.9「マニアの受難」→このバンドの曲名から
アニメ:第四話のセリフ「僕は卑怯で、臆病で」→「朝は今、駅の中」
あなたは日本現存最古のロック・バンドをご存じだろうか? ムーンライダーズは、1976年のデビュー以来、その一貫して先進的な音作りで、耳の肥えた音楽ファンから熱烈な支持を得てきたバンド。その活動歴は20年以上に及ぶが、いかんせんヒット曲がないため、このページを読んでいる人のどれほどが彼らを知っているか非常に心許ない状態なのだ。そのぐらいカルトなバンドであり、それゆえまたコアなファンを獲得したりもしているのである。
貞本義行氏もまたそんなコアなファンの1人らしく、コミック版のサブタイトルのうち実に2話がムーンライダーズの曲名からの引用だ。
また、アニメ版第四話のシンジのセリフ「僕は卑怯で、臆病で」は、ムーンライダーズの「朝は今、駅の中」の歌詞「僕は卑怯で/臆病者で」に酷似している(しかも両方とも舞台は駅)。
コミック版のサブタイトルの件がきっかけとなって、98年5月に発売されたムーンライダーズの2枚組ベストアルバム「ANTHOLOGY 1976-1996」のジャケットは、貞本義行が担当することになった。アルバム制作側がダメ元で要請したところ、彼が快諾したとのこと。エースの連載を一回落として描いただけあって、力の入った重厚な仕上がりとなっている。世界のエリック・クラプトンの「PILGRIM」に続いてジャケットを担当したのがライダーズというのも痛快だ。また、ジャケットに描かれた月が、綾波レイのバックに描かれていた月と同じという点も心憎い。
筋肉少女帯

「福耳の子供」収録のデビューアルバム 「仏陀L」(88年)
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「何処へでも行ける切手」収録の 「断罪!断罪!また断罪!」(91年)
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レイの包帯姿→「何処へでも行ける切手」
レイの話し方→「福耳の子供」」
包帯フェチを一気にメジャーなものにした(?)包帯姿のレイのイメージは、筋肉少女帯の「何処へでも行ける切手」から。また、貞本氏が「Quick Japan」で語ったように、レイのボソボソとは話すイメージも、筋肉少女帯の「福耳の子供」からである。
「福耳の子供」は、もともとは「有頂天」のケラ(現シンセサイザーズ)と筋肉少女帯の大槻ケンヂのユニット「空手バカボン」の曲で、彼らのベスト盤「空手バカボン全曲集」でも聴ける。(ちなみに筋肉少女帯の曲は、「労働者M」など空手バカボンの曲の再演が非常に多い。)
個人的には、まだ無名時代の大槻ケンヂが、ケラと深夜のテレビ番組に出て、異常にチープなサウンドと妙な振り付けで「福耳の子供」を歌っていたのが、彼との出会い。もう10年位前になるのかぁ。
なお、レイの包帯姿は、吉田戦車のキャラクターがヒントとの説あり。どのみち出自はシュールな世界のようである。
XTC

ロゴが引用されたアルバム 「Drums and Wires」(79年)
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ベスト盤「FOSSIL FUEL」(96年)
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アニメ:第弐拾弐話のシンジの青いTシャツのロゴ→「Drums and Wires」
イギリスで「マニア好み」とか「通好み」といった形容に最もふさわしいバンドは彼らだろう。78年のデビュー当時は威勢のいいニュー・ウェイヴのバンドだったのが、その後屈折に屈折を重ねて、すっかりひねくれたポップスを象牙の塔で作る世捨て人になってしまった。いまではライブすらまったくやらないのである。しかし、箱庭ポップスと言われようが、その英国的なセンスが詰まったポップスのクオリティーはまさに圧倒的。
そんなヒネた彼らを本当にシンジ君が気に入るかは別としても、彼のTシャツにはXTCのロゴが。セカンドインパクトを生き抜くとは、さすがXTC。
矢野顕子

「ラーメンたべたい」収録の 「オーエス オーエス」(86年)
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ベスト盤「ひとつだけ」(96年)
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アニメ:第拾弐話のセリフ「ニンニクラーメンチャーシュー抜き」→「ラーメンたべたい」
一部で流行したらしい「ニンニクラーメン チャーシュー抜き」というレイのセリフは、「チャーシューはいらない」という歌詞がでてくる「ラーメンたべたい」からの引用と思われる。
曲名だけ聞くとキワモノのようだが、一度聴けば彼女の無敵の表現力に吸い込まれてしまうはず。
坂本龍一夫人としても知られる矢野顕子は、その独特の歌唱表現と、自身の快楽原則にのっとった音楽センスで、20年以上に渡って活躍してきたシンガー・ソングライター。
ちなみにこの曲の歌詞は、どこぞの国語の教科書にも載ったとか。教科書もエヴァも引き寄せるとは、えらく因果な曲ですねぇ。
少年ナイフ

「BRAND NEW KNIFE」(96年)
コミック:STAGE.10「ナイフと少年」→このバンドの名前から
音楽好きの貞本氏のこと、これは「少年ナイフ」を年頭においてのタイトルだと思われる。
今でこそピチカート・ファイヴやボアダムスがアメリカでその名を知られているが、少し前までは、「アメリカで一番有名な日本のバンド」といったら、少年ナイフのことだった。結成は81年という、実はベテランの女性3人組。その不可思議な歌詞と、ロック本来のダイナミックさを持ったサウンドは、ソニック・ユースなどグランジ系のバンドからも強い支持を得ている。
BOB DYLAN

「Pat Garrett And Billy The Kid」(73年)
アニメ:弐拾四話英語版サブタイトル→「Knockin' on Heaven's Door」
こういう大物を紹介するのは逆に難しい。62年のデビュー以来、フォークからロックへと音楽的スタイルを変化させながら活動してきたアメリカ音楽の巨人だ。弐拾四話「最後のシ者」の英語版サブタイトル「The Beginning and the End,or "Knockin' on Heaven's Door"」は、彼の「Knockin' on Heaven's Door」を連想させる。シンプルかつ深い歌詞でディランの代表曲として知られるこの曲の初収は、73年のアルバム「Pat Garrett And Billy The Kid」。他の収録アルバム及び歌詞は、公式ページのこちらを参照されたし。
番外その1
MIJK VAN DIJK

「shelter」(97年)
このCDは、別にエヴァを引用しているわけではなく、逆にエヴァから引用、つまりエヴァのセリフをそのままサンプリングしている。サンプリングされているのは、第八話「アスカ、来日」の「Synchro-start.(シンクロ スタート)」と「あんた日本語で考えてるでしょ!ちゃんとドイツ語で考えてよ!」というのアスカのセリフ。この曲自体は、アルバム「glow」にも収録されているものの、アスカをサンプリングしている「shelter-Tobynation Remix」は、シングル盤のみに収録。このリミックスには、Toby Izukiなる日本人らしき人物が参加しているので、彼の入れ知恵による可能性もあり。
マイク・ヴァン・ダイクは、電気グルーヴのリミックスでも知られるドイツのテクノ・アーティスト。(「shelter」のシングルの別ミックスには、石野卓球も参加。)日本とはまた違った文脈のサブカルチャーとしてアニメが受け入れられているヨーロッパらしい話ではある。
ガイナックスにばれないようにね。
番外その2
中村一義

「金字塔」(97年)
彼のデヴュー盤「金字塔」に収録された「天才たち」も、エヴァ本編から思いっきりサンプリングしているトラックだ。サンプリングされているのは、マヤの「エントリープラグ…」という声、ミサトの「シンジ君!」と繰り返す声、そしてシンジの「ワーッ!!」という叫び声。ほんの30秒のトラックのうえ、非常に小さな音なので、よーく聞かないと気がつかない。ガイナックスの許可は取ってないようで、よくこんなことをメジャー盤でやったもんだと感心してしまった。
中村一義は75年生まれのミュージシャン。高校卒業後2年間にわたってデモテープ作りに没頭、そして97年にデヴューするやいなや「天才」との評価を受けた。この「天才たち」を収録したアルバム「金字塔」は、ポップスの黄金律が惜しげもなく駆使されていて、目眩がしそうなほどの完成度。アルバム全体の流れも見事で、そんな中にお遊び的なこの「天才たち」が収められている。そんな点も含め、同時代的な空気に溢れたアルバムだ。

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