since 14/DEC/96
For best viewing results, I recommend






現在の日記に戻る

1月31日(土)

大江健三郎の未単行本化作品「政治少年死す」を読むため、都立中央図書館へ。広尾駅を出るとそこには麻布の洒落た空気が漂い、冬枯れた有栖川記念公園内の中にその図書館はあった。別に何も提示しなくても入れたのだが、盗難防止のためかコートやバッグはロッカーに入れさせられて、これはちょっと予想外。通りかかった複写コーナーの電光掲示板を見ると、複写の申し込みは3時半までとなっている。その時点で2時をまわっていて、予期せず時間との戦いになってしまった。勝手が分からずウロチョロしている間にも、時間はどんどん流れて行く。
○雑誌のコーナーで閲覧を申し込み、15分ぐらいで「文学界」1961年1〜3月号の合本が出てきた。未単行本化作品を読もうとした人も多かったのだろう、問題の小説のページは相当痛んでいて、補修テープだらけ。数ページにわたって端の1行が読めないのは痛かった。しかも複写を申し込む前に、複写ページの指定をしなければならず、この書式が結構面倒くさい。慌てに慌て、3時過ぎにカウンターへ。
○ほどなく複写完了、コピーでは読めない部分を原本と照らし合わせる。それでも5時の閉館まで時間もあったので、原本を読んでいくことにした。「セヴンティーン」同様に熱狂が渦を巻いている作品に引き込まれ、気付くと閉館直前。来た甲斐があったことを喜びつつ、受験勉強をしに来た高校生で予備校状態のロッカールームを抜けて帰ったのだった。



1月30日(金)

○大学4年の頃、僕は生き急ぐように音楽を聴き漁っていた。大学の近くにあった「JANIS」というレンタル屋はマニアの巣窟みたいな店で、ロックはもちろんワールドミュージックや現代音楽まで揃っていて、僕は大学に行くよりもその店に行くような気分で大学のある街へ通っていた。さらに、CDの多い港区の図書館まで週に3回ぐらい行って、民俗音楽や日本の古典芸能のCDを借りてもいた。社会人になったら音楽を聴く時間が激減するだろうと恐れていたのだが、案外そんなことはなかったのは幸運だった。さすがに中古盤屋をまわる時間はないので、買う量が増えたけれど。
○そんなわけで結構音楽は聴いているつもりなのだが、ひとつだけ克服できない弱点がある。それはクラッシック。基本中の基本なのだろうが、ブルジョア家庭に育ったわけではない僕にとっては、捉えどころがない存在なのだ。別にブルジョワじゃなくてもクラッシックは聴くか。かつて「クラッシック・コレクション」という隔週発売のCDマガジンがあったけど、あの時買って勉強すればよかった…なんてことも年に1回ぐらい考えていたのだ。
○と思ったら、その「クラッシック・コレクション」が1号から再発売されていた。単行本でいえば版を重ねたようなものか? ともあれ、以前出したものとまったく同じ物を出すのだから、出版社にとってはいい商売だろう。そして僕もこれ幸いと購入。今回はチャイコフスキーなのだが、メロディーは知っていても曲名と一致しないのが情けない。これからは毎号買って、半可通を目指したいところだ。それにしてもこのシリーズ、いつまで続くんだろう?
o u t d e xの「MUSIC」に、12月分のCDレヴューを追加。なんとか今月中に間に合った。ワールドミュージック系も多いんで、かなりキテレツなかもしれません。



1月29日(木)

○朝日新聞を読んでいたところ、「幻の大江作品 イタリアで“無断”出版」という記事が目に入った。大江健三郎が「文学界」1961年2月号に発表したものの、右翼団体からの抗議などのために一度も単行本になっていない「セヴンティーン 第二部 政治少年死す」が、イタリアで出版されているとの記事だった。その第一部にあたる「セヴンティーン」についてのみ翻訳出版の許可を出したところ、イタリアの出版社が勘違いして第二部も収録してしまったというのだ。大江作品に単行本化されていない作品があるという話は以前から聞いていたのだが、この記事で初めてその題名を知ることになった。不勉強でお恥ずかしい。
○一気の興味が湧いたものの、第二部は読むことが出来ないし、とりあえず「セヴンティーン」を読もうと新潮文庫の目録を手に取った。「性的人間」に収録されているらしいのだが、しかしよく考えてみれば僕はその本を持っていたような気が。家の本棚を漁ってみたところ、3年ぐらい前に買った黄ばんだ大江作品の古本が3冊ほど出てきた。これまた不勉強がばれてしまう話だ。
○そして、1冊10円で買った記憶があるその文庫を開いて「セヴンティーン」を見始めたのだが…最初の2ページを読んだだけで、ガツンとかまされてしまった。なんて煮えたぎるような衝動に満ちた作品なんだ。自意識過剰で気弱な少年が、自分の殻を破ってくれるものとしての右翼に惹かれ、一気に開眼して行く過程を描いているのだが、その筆致の迫力たるや、少年の熱狂が伝染してしまうかと思ったほどだ。僕はイデオロギー的なものに興味はない。しかしこの作品の持つ露悪的なまでのエネルギーには、完全に圧倒されてしまった。
○こうなれば第二部も読みたくなったしまうのが人情というもの。今週の土曜は国会図書館が休みという現実を目の前にしながらも、なんとか読めないかと思案している次第だ。



1月28日(水)

Buffalo Daughter「New Rock」、カジヒデキ「tea」を購入。カジは今回もトーレ・ヨハンセンのプロデュースで、相変わらずポップないい曲ばっか。でも、前作が鬱を脱した後の躁状態を感じさせたのに比べると、やや落ち着いた印象だ。安定期に入ったって感じで、いい意味での生活感がある。
○バッファローは、さらに余分なものを削ぎ落とした印象で、チープなところはチープ、ワイルドに迫るところはワイルドと、一層針の振れ方が大きくなってなかなか痛快。それでいて、前作よりも肉体的なのが面白い。しかも既成のポップスの枠組みから大きく飛び出しているのに、妙に人懐っこい。エレクトロを通過した先のこの音が「New Rock」ってわけか。前身バンドであるハバナエキゾチカの頃から彼らを聴いているのだが、小西康陽プロデュースの「火星ちゃんこんにちは」からスタートした電子音路線がここに極まったという印象だ。
○2日連続でo u t d e xを更新、「MUSIC」にフリーボのライヴリポート、「BOOK」に「Pop Culture Critique 0.」と「こんにちはアイドル」を追加しました。



1月27日(火)

○昨日の診断で「ほっとけば治ります」と言われた左目眼球は、内出血も引いてきた。と言っても、最初からほんの小さなものだったんだけど。
○先日読売新聞の書評欄で取り上げられていた見沢知廉の「調律の帝国」(だったかな?)を探しに行ったところ、どこの本屋にも置いてない。音楽雑誌のCDレヴュー同様、発売前のものが紹介されていたのだろうか? かわりに、「からっぽの世界」なる山田花子の単行本を発見して、ちょっと驚かされた。発売元は青林工芸舎で、つまり「ガロ」の青林堂から飛び出した編集者たちの新会社。なんかウテナ のムックを出すって話もあるし、山田花子も経営安定化の道具に使われちゃったのかなぁ…なんて気もしたが、こうして単行本未収録の作品が読めるのは嬉しいことだ。考えて見れば、青林工芸舎には山田花子の妹さんがいるはずだから、仕事に愛情がこもってないはずがないしね。あっ、念のために言っておきますが、ここで言う山田花子ってのは吉本の芸人じゃなくて、自殺した特殊漫画家のことですよ。
○友人から借りたギターウルフの「狼惑星」を聴いたのだが、こりゃ凄いわ。よくもこんな音質でメジャー発売されたもんだと、レコード会社の英断に拍手。理屈抜きでぶっ飛ばす勢いには、苦笑混じりではあるが楽しませてもらった。
SWAYを1ヶ月ぶりに更新、CD情報とリンクを追加。またo u t d e xには、「COMIC」に星野之宣「宗像教授伝奇考」をUPし、相互リンクに4サイトを追加しました。



1月26日(月)

○朝起きて鏡を覗くと、昨夜のドア激突でできた小さな内出血の点がまだ左目に残っていた。目に障害が残るとまずいし、大事を取って病院に行くことに。快調極まりない一週間のスタートだ。
○ふだん家を出る時間と同じ時間に病院に向かい、診察券を出したり順番を待ったりで、診察までの所用時間は1時間。名前を呼ばれて診察室に入ると、なんか穴を覗いて気球の写真のピントを合わせたり、緑の光を当てたり、視力検査をしたりとメニューが盛りだくさん。なにより、目に薬を入れた後にレンズを突っ込まれたのにはまいってしまった。突然の展開でどんなものかも判然としなかったが、コンタクトレンズの厚いやつみたいなのを目に押し当てられたのだ。これが妙な感触で、今後は目を傷つけないようにしようと誓ってしまった。
○丸尾末広のマンガの決め技に「眼球を舐める」というのがあったが、コンタクトすら使ったことのない僕にとっては、眼球に触れられるのって怖くて仕方ないや。
○1ヶ月近く掲示板のみが動いていたハイポジ-BODY meets SING-を更新。といっても、掲示板の過去ログをUPしたのみで申し訳ない気分。ディスコグラフィーの追加もしなければならないのだが、いかんせん時間がない。今月中にはなんとかしたいもんです。



1月25日(日)

○午後から友人Kと会いにお茶の水へ。時間もないので、本屋もCD屋も見ないで帰ってきた。休日だってのに余裕がない。
○昨日のカラオケでOさんが歌った「しらけちまうぜ」という曲が聴きたくて、小坂忠の「HORO」を購入。発売は75年で、細野晴臣・鈴木茂・林立夫・松任谷正隆によるティンパンアレイがバックを務めている。細野プロデュースの名盤との評価は以前から知っていたが、予想以上にいい。フォーク臭さなんて無くて、もろにR&Bの影響を受けたサウンドだ。コーラスを務めるのも、山下達郎・大貫妙子・吉田美奈子という鼻血が出そうなメンツ。はっぴいえんどのカバー曲もあって、オリジナルとの違いも楽しめた。「しらけちまうぜ」も、小坂のソウルフルなヴォーカルが冴える佳曲だった。
月刊アフタヌーン購入。今月号には博内和代の作品「外環視点」が載っていたが、これは相当なシロモノだ。精神が壊れた女を、それとは知らずに妻として迎えてしまった男の、エゴが渦巻く葛藤を描ききった作品。一切の感傷や奇麗事は排除され、極めて冷めた感触だ。今月号には小田ひで次の「拡散」の最終回も載っている。商業ラインすれすれのディープな熱を孕んだ作品は、今ではアフタヌーンに集まっているのかもしれない。
○午前2時ごろやっと寝ようとしたところ、真っ暗な中でドアを開けようとして、ドアの縁を顔面にぶち当ててしまい、メガネが眼球に当たる事態に。これはマジでやばいのでは?と思ったが、痛みはすぐ引いた。しかし問題の左目の眼球には、2個の小さな点のように血が滲んでるじゃないか。しばらく経っても消えそうも無いので、とっととフテ寝する。



1月24日(土)

○静岡在住のOさんが上京してくるってことで、「ラブ&ポップ」を観るお供をしに銀座へ。静岡じゃこの先公開するかどうかもわからないらしいのだ。僕は観るのは2回目だったが、過剰なほど凝ったカメラアングルやフィルムつなぎはやっぱり面白かった。
○僕らは2時20分の回から観たのだが、ネット仲間のEさんとGさんが次の回を観に来ていた。Eさんがエヴァ完結編のトレーディングカードをくださったのだが、これって全部で132種もある物らしい。僕がいただいたのは、その収集活動でダブった分。つくづくマニア道の険しさを感じさせられた次第だ。
○それから渋谷へ移動して、Oさんの彼女のHさんとそのお友達のKさんとで飲み会。今週は睡眠不足ゆえの疲れが溜まっていて、ビールいっぱいでウトウトしてしまう。気を失った一瞬の間になにやら夢を見たらしく、脈絡もなく突然「700円!」とか言い出して、周囲と自分自身を驚かせてしまった。Kさんとは初対面だったのに…。2次会のカラオケには何とか復活したけどね。



1月23日(金)

○退社して歯医者で最後の治療をした後、渋谷の三省堂で呉智英「言葉につける薬」購入。去年の今頃は、双葉社から続々と発行された彼の文庫本を片っ端から読んでいた。全編にまぶされた衒学的なまでの知識や、確信犯的に荒っぽい物言いをする根性の悪さなど、とにかく読んでいて痛快。この本は日本語に関するエッセイ集のようだが、やはり底意地の悪さを見せつけて欲しいものだ。最近は自由主義史観研究会からも距離を取っているようで、その辺の身の振り方はさすが策士といった感じだ。
○その1階上のCOMIC STATIONでは、木尾士目「陽炎日記」購入。月刊アフタヌーンで執筆している作家の初単行本で、これまで発表された短編を収めたもの。どれも自我と性をコントロールできないために苦しむ青春恋物語で、一見かなり地味だが、読み通してもやはり地味。特別に派手な展開があるわけではなく、絵にもある種の泥臭さがある。それでも読ませるのは、キャラクターたちのかなり気の効いたセリフのやり取りのせいで、やや練りすぎの感もあるが、心理的な葛藤をえぐり取るように見せ付ける。また、キメの場面では、驚くほど効果的なコマ割りや構図を使ったりもする。現在アフタヌーンで連載中の「四年生」も悪くはないが、このセンスを青春物以外にも活かして欲しいところだ。



1月22日(木)

○昼から東京国際ブックフェアへ。会場はコミケと同じ有明国際展示場なのだが、会場へ向かうTWRの中は皆スーツ姿だったり、駅から出ると人気が妙に少なかったりで、あの冬の日に死ぬ気でやってきた会場とは全く別の場所のようだった。広場を埋め尽くす数万人の若者の姿がないと、展示場前の広場ってこんなに広かったんだ…なんて初めて気付かされたりも。
○インターネット・CD-ROM・海外出版なんてネタが多くかったものの、不況のせいでタダでモノをくれる企業が極端に少ない。一番高価だったのが、朝日新聞のブースの抽選で当てたサインペン5本セットですぜ。大手の出版社は派手にやってたけど、見るものはあまりなし。洋書市で、新品のアナログ盤が1100円均一で売られていたのも謎だった。誰が小林幸子のLPをあの場で買う気になるのだろう? ちあきなおみの「喝采」入りのLPは、和製グルーヴの名盤だけあって触手が動いたが。ちなみに、角川書店のブースでエヴァのアスカの文庫本を手に取ったら、韓国語版(手書き文字もちゃんとハングル)だった。講談社にはもろもろのマンガのタイ語版もあった。
○会場を出た後、地下鉄を乗り継いで渋谷へ。タワーでCDをチェックしてから、パルコブックセンターへ向かうと、店内に「ラブ&ポップ」のでかい看板が。しかも表面にいくつもの穴が開いていて、覗くと撮影中の庵野監督の写真が6枚ほど見られるという趣向だ。見て嬉しいものでもないが、つい全部見てしまう。マンガのコーナで、よしもとよしともの新刊「Greatest Hits +3」を発見、購入。
○6時前にNHK放送センターへ向かい、Mさんと落ち合って、フリーボのFM録音公開ライヴへ。静かな弾き語り系かな?という予想を裏切って、思い切りアグレッシヴなサウンドだった。小柄な身体にでっかいギターを抱えるボーカルの女の子の姿はキュートだが、歌い出すと芯の強い声が響いて驚かされる。ライヴだけに歌詞が聴き取れないのは残念だったが、歌心が溢れているのはしっかり伝わってきた。轟音と歌汁の洪水って感じだ。ギターX2・ベース・ドラムという編成や、曲のヴァリエーションの少なさもあって、途中飽きてきたりもしたが、終盤の盛り上がりで巻き返した。特にタイトなリズム隊がいい。新しい要素なんて何もないサウンドだが、気負いの無い表現はすがすがしかった。サニーデイ・サービスが好きな人は要チェックだ。
○Mさんとタイ料理屋で食事をしたが、なぜか最後は庵野監督の作家性についての話に。以前から見たくて仕方なかった「1999年の夏休み」のLDをお借りして帰路についたのでした。



1月21日(水)

○安達哲「幸せのひこうき雲」読了。読んだ後、作者はこれまでの人生で何かトラウマを背負ってしまったのだろうかと、つい邪推してしまいそうになるマンガだ。
○物語の主人公は、両親の不和で祖母の住む田舎の小学校に転校した小学4年生の男の子と、かつて女優を目指したものの挫折し、クラスを支配して全能感を味わうために小学校の教師になった女教師。この女教師が男の子を自分の思うままにイタズラしていく過程が描かれるのだが、これがすごい。極端なほどの間の取り方は、2人きりの教室で関係を深めていく緊迫感を見事に表現している。先を急いで読もうにも、この緊迫感はそれを許してくれないのだ。画面の多くを占める余白も、しっかりと心情表現として機能している。他のキャラクターも過剰に人間臭く、どんな人生経験を踏むとこんな人間を描けるのかと考えてしまった。
○エンディングへ至る展開にはやや早急な印象を受けるが、女性という存在への憎しみをちらつかせ、闇を広げたまま終わるラストには一本取られた気分。「大人には子供を守って欲しいよなぁ」というセリフには、この作品に封じ込められた作者の思いを感じてしまった。ある種の凄味に満ちた作品。



1月20日(火)

○「MUSIC MAGAZINE」2月号購入。恒例のジャンル別年間ベスト10が載っていて、権威ヅラしやがって…と内心憎まれ口を叩きながらも、真っ先に読んでしまった。いまひとつ刺激の少ない選出だったが、言い換えれば妥当な印象を受けたということかも。イギリスにはROBERT WYATTやCornershopが入っていて、日本には想い出波止場やThe FISHMANSソウル・フラワー・モノノケ・サミットも入っていたし。でも当然こぼれ落ちてるものも多いんで、近いうちにo u t d e xでも、音楽とマンガの個人的なベスト10を紹介したいところ。マンガ情報誌「comnavi」の年間ベストなんて、あまりにも視野が狭い印象で、正直納得できなかったしね。でも考えてみたら、まだ去年の12月分のCDレヴューすら書いていないのでした。
○「MUSIC MAGAZINE」のアメリカとイギリスの1位に挙げられていたのは、それぞれBOB DYLANとPRIMAL SCREAM。どちらも買うかどうかのボーダーラインをさまよった挙げ句結局買わなかったCDなので、これを機に聴いてみることにした。下北沢のCD屋を4件まわったが、BOB DYLANがどこにでもあったのに対して、PRIMAL SCREAMは1軒にしかなかった。しかもその輸入盤、邦盤とはジャケットが違う。これがもとジャケなのかとも思ったのだが、結局ジャケットが気に入らないので帰宅。CDは探しはじめるとキリがないので、適当なところで諦めることも必要だ。そして帰ってみたら、近所の中古盤屋で邦盤の中古が1500円ぐらいで売っていた。こんな日もある。
○そうそう、「MUSIC MAGAZINE」には映画監督のヴィム・ヴェンダースのインタビューも載っていた。早いとこ近所のレンタルで「都会のアリス」を借りなければ。



1月19日(月)

○今まで音楽系のファンジンに書いてきた文章をo u t d e xに追加。カーネーションについての文章は、全アルバムを聴き尽くすまでの足掛け4年の記録。はっぴいえんどに関しては、元メンバーたちの97年の活動を紹介したものと、未だCD化されていない12インチ盤についての2種類。加えて、元はちみつぱいの駒沢裕城が最近行っている栗コーダーカルテットとの活動について書いたものという、計4種類。画像をJPEGにしたり、漢数字(本は縦組みだった)をアラビア数字に直したり、レイアウトのためタグを打ったりと、地味な作業の連続で結構疲れた。
○ちなみに、その文章を載せたカーネーションのファンジンは、巡り巡って(というほどでもないらしいが)ボーカルの直江政太郎本人の手に渡ったとか。この話を聞いた時は、まさかそんな事態になるとは思っていなかったので結構慌ててしまった。この件に限らず、誰かについて自分が書いた文章が、本人に読まれることもあるわけで、それはこのインターネットでも同じはず。何について書くにしても、批評対象の当人に読まれても恥ずかしくないような文章を書きたいもんです。



1月18日(日)

○昨日「未来世紀ブラジル」と一緒に借りてきた、矢口史靖監督「裸足のピクニック」を観る。たしか昔BOX東中野とかで上映してたはずで、当時結構気になっていた作品。レンタルにあるのを見つけて、これ幸いと借りてきたのだが…僕の期待が大きすぎた、という結果になってしまった。
○始まって間もなく、この映画のテンポの悪さが気になって仕方なくなってしまった。単に趣味が合わないだけかもしれないが、たいした心理描写もしないのに、妙な間が続くのには正直疲れた。ラストへ至る後半のたたみかけるような展開はわりかし楽しめたが、見終わった後には疲労感が。凡庸な音楽も好きになれなかった。あと、製作は92年なのに、画面の中の風俗に異様なほど古さを感じるのはなぜだろう?
○去年「ベルリン天使の詩」を観るまでのかなり長い間、僕は自発的に映画を観るということをしなかったんだけど、長時間画面に向かって結局楽しめない場合があることもその原因のひとつだった。映画を観るためには、2時間前後はじっとしていなきゃいけないわけで、本を読んだりCDを聴いたりするのに比べると、ずいぶんと拘束力が強い娯楽のような気がする。今回はちょっとツラくって、映画のギャンブル性の強さを感じてしまった。
○初期設定の不備のため上手く作動しなかったNetforwardの転送URLを再度設定。結果、http://www.cyberjunkie.com/outdex/というURLからも「o u t d e x」を正常に見られるようになりました。でも時々繋がらないのは御愛敬。



1月17日(土)

○テリー・ギリアム監督「未来世紀ブラジル」を見る。どこか壊れた人間たちの描写、躊躇なくブラックな笑いなど、かなり楽しめた。ラブロマンス風に展開するかと見せかけて、結局ラストをよりダークなものにするための罠であるのも痛快。最後のどんでん返しには、まんまとはめられてしまった。しかも同時に社会への警鐘でもあるんだから見事なもんだ。一本のフィルムに込められたイマジネーションの量の凄さに感服した。テリー・ギリアムがメンバーだったモンティ・パイソンのビデオも今度借りてこよう。
○これで今週4回目?のo u t d e x更新。これまでリンクコーナーとして地下水道があったものの、「地下水道」の登録ページ数があまりにも多くなってしまったため、それとは別に「o u t d e x」へリンクして下さってる皆さんとの相互リンクコーナーを新設することにした。「うちのページの方がコアでクールだぜ!」という方、ぜひとも相互リンクしましょう。お待ちしています。
○また、「地下水道」も一緒に更新。今回の追加は15サイトと少なめなものの、1ページで約60KBというもはや収拾のつかない状態になってしまいました。やっぱりフレーム化しようかなぁ。



1月16日(金)

○夜、ソウル・フラワー・モノノケ・サミットが出演した日本テレビ「今日の出来事」を見る。阪神大震災の3周年を明日に控えての特集で、仮設住宅で暮らす人々とソウルフラワーとの交流が映し出されていた。なにより印象に残ったのは、彼らが演奏を聴くお年寄りたちが楽しげな表情。踊り出す人もいる。今までもモノノケサミット名義のアルバムを聴いてはいたが、部屋で1人で聴いているのとは全く違った、実際に場を共有しながら音楽が機能する現場を見せつけられた気分だ。なんで俺は生のソウルフラワーを聴きいたことがないんだ!と激しく後悔してしまった。
○そしてリーダーの中川敬の眼力の凄さといったら。これほど聡明さと意志の強さが現われた目もそうそうないだろう。「現場を見た時、これは人災じゃないかと思った」と関西弁で彼が語るのを聞いていると、同時に僕自身のあり方も問われているような気さえしてくる。ニューエスト・モデル時代から彼の存在感は気になっていたが、初めて見た動く中川敬には、やはり強烈なインパクトを感じてしまった。
○しかし現実問題としては、ソウル・フラワー・ユニオンのCDがメジャー配給なのに対して、モノノケ・サミットは歌詞などの問題からインディーズ発売なのが現状だ。駅売りの1000円CD屋に彼らのCDが並んでいたのは、大衆的な彼らのスタイルにある意味で適しているだろうが、流通の限界を考えるとやはり淋しさも感じてしまう。しかしそれでも安直に左翼的なスタンスに陥ることなく、独自の活動を続ける彼らは魅力的だ。障害を乗り越えて活動する彼らを一度生で聴いて、音楽と場を共有してみようと決心。さぁ、次のライヴはいつだ。



1月15日(木)

○午前11時前、PHSの音で目が覚める。電話はEさんからで、今日一緒に「ラブ&ポップ」を観に行く予定だったネット仲間のGさんに、雪が凄いから中止にしようと伝えて欲しいとのことだった。なんでわざわざ僕を経由するかというと、Eさんは普段は会社からネットに接続しているのだが今日は休日の上に、知っているGさんの連絡先もメールアドレスだけなのだ。そんなわけでGさんへメールを送り、一段落して窓の外を見ると本当に凄い雪。一目見ただけで、明日の通勤が思いやられてしまった。東京者には試練の冬ですな。
○出掛けたら帰って来れそうもないので、大人しく家で過ごす。久しぶりにかなり長時間に渡ってネットサーフィンもしてみた。頭の片隅では、かれこれ45日ほど放置しているリンク集・地下水道のことが気になっているため、ネタ探しの航海になってしまった。
○今週3回目のo u t d e x更新。「OTHER」に「ラブ&ポップ」を追加し、マニアの受難にもそのお知らせを書いておきました。



1月14日(水)

○渋谷HMVへ行ったところ、在庫処分でCDが500円で投げ売りされているのを発見、エサ箱へ突撃する。CDを入れたカゴ3つのうち1つがワールドミュージック系だったので、そこを一点攻撃。指先を真っ黒にしてチェックした結果、4枚を買うことに。他のCDを持っているブラジルのサンバの巨匠CARTORA 、一時期全国数百人の間で話題になったバングラディッシュのUthali Pathaliを選び、加えてガーボベルデのB.LEZA、在米ベトナム人のTIENG HAT MY HUYENという名前も聞いたことのない歌手も買ってみる。あとは大人しく、GOLDIEの「SATURN RETURN」の先行発売国内盤を定価で購入。
○まんがの森へ行くと、「CUTIE COMIC」なんて雑誌が積まれていた。メンツをチェックすると、やまだないと・南Q太・安野モヨコなどなど豪華な布陣。誌面もクールな絵柄が目白押しで、即購入決定。安達哲の「幸せのひこうき雲」も、テンポの妙な間が気になったので一緒にレジへ。
○久しぶりにまんだらけへ行くと、今日は「風の谷のナウシカ」が歌われていた。コスプレ店員は安田成美より上手い。エヴァ同人誌コーナーとか買う気も無いのにチェック。店内には僕と同世代と思われる大人が結構多いことに気付いて、自分のことを棚に上げて少しビックリ。
○かくして6千円弱の散財をしてしたものの、ホクホ顔で帰宅。バリケードのように部屋にモノが増えるのは困ったものだが、消費活動は好きなのだ。なぜだろう?



1月13日(火)

○新潮45別冊「コマネチ! ビートたけし全記録」を購入。考えてみれば、95・6年の頃ってテレビはビートたけしが出るものぐらいしか見なかった。(ちなみに97年は広末涼子の出るものとニュースのみ。)今じゃテレビをほとんど見ないんでたけしの番組も見ていないのだが、それでも彼の映画は気になって観てしまう。一番好きな映画は「ソネチナ」、小説は「教祖誕生」かな。加えて彼のシングル「嘲笑」は相当な名曲。この本では、日頃のたけしの横暴ぶりを暴いているたけし軍団の放談会が面白い。想像以上に針の振り切れた人間なんだなぁ。
○2日連続でo u t d e xを更新。今日は「COMIC」に、おおひなたごう「ヨーデル王子」、南Q太「愚図な女ばかりじゃないぜ」、唐沢商会「ガラダマ天国」、「ガロ」98年1月号、「COMIC CUE」VOL.4の5冊を追加。これだけ追加してもまだ5冊ほど紹介したい本があるんで、今週中にもう一度ぐらい更新したいところ。他の記事も書かなきゃ。



1月12日(月)

○「アニメージュ」なんて雑誌を買ったのはいつ以来だろう? 確か高校生の頃「ナウシカ」の連載を読みたくて買って以来だから、8年ぶりぐらいになるのだろうか。そんだけ歳月が流れてれば、僕も歳を取るわけだ。
○で、なんで歳を取った僕が「アニメージュ」2月号を買いたい衝動に襲われたかというと、問題はその表紙だ。なんてったって、「ラブ&ポップ」の庵野監督が、女子高生役の4人と一緒に写ってるんである。しかも面白くなさそうな顔で。特集ももちろん「ラブ&ポップ」で、アニメ誌なのにR指定の実写映画の特集という思い切った編集だ。庵野監督は野火ノビタを相手にまたも偉そうなことを言ってるんだが、あれだけの作品を見せられた後では納得してしまう。なにより、自分を取り巻く状況を冷淡なほど客観的に見ている彼の姿には改めて感心させられた。
o u t d e x更新。「BOOK」に、桝野浩一「てのりくじら」、チョン・キへ「帰国船」、町沢静夫「普通の人の中の狂気」、宮台真司・藤井良樹・中森明夫「新世紀のリアル」を追加。チョン・キへと町沢静夫の本はもうUPしているつもりになっていたのだが、勘違いだと気付いて大慌てで追加することに。更新を怠けていると、こんな混乱が起きてしまうようです。



1月11日(日)

○WOWOWを見られる会社の先輩に借りた、エヴァの「DEATH & REBIRTH」のビデオのダビング作業。自分と知り合いの分の2本をダビングするつもりだったが、1本目の最後の方になって3倍で録画していることが判明し、結局3本分ダビングするはめになった。
○「DEATH & REBIRTH」は、公開の1週間後ぐらいに1回見ただけ。ピンと来なかった「DEATH」も、フィルムブックで構成を理解した上で改めて観ると、わりと良く出来ていることに気付く。あまりに激しい時間軸の飛び方に気を取られがちだが、各キャラクターごとにエピソードを複雑に繋ぎ合わせて組み立てた構成はなかなか見事だ。考えオチともいえるけど。ただ、「TRUE」と題されたこの「DEATH」は再編集版で、本来は終盤にあったアスカの「こんなの私じゃない!」という執拗な叫びがカットされていたのは淋しかった。あの気が狂ったような場面、結構好きだったんだけどな。
○それにしても、考えてみればエヴァの再放送を見て一気にハマってからやっと1年ぐらいなんだよなぁ。いつの間に1年経っちゃったのって気分だ。



1月10日(土)

○午後、「ラブ&ポップ」を観るため銀座へ。昨夜渋谷で先行オールナイトがあったばかりで、銀座も今日からの公開なので、上映時間の1時間ほど前に劇場へ向かった。たぶん1時間並べば、立ち見で観られるだろうと考えたのだ。ところが劇場に着くと、全く人がいない。受け付けのお姉さんに聞くと、「初回は混んでたんですが…」とのこと。とりあえず券だけ買って、山野楽器やハンターで時間を潰すことにする。
○上映時間の20分前に行くと、劇場内に人が溢れてる。一瞬焦ったがそんな数でもなく、案の定劇場では特等席みたいな場所に座れてしまった。もっと来ると思ってたけど、こんなもんなのか。会場内の「一目で分かるオタク率」は半分以下とかなり低めで、むしろ若者が全般的に来てる印象だった。
○本編に先立って予告編3種が上映されたのだが、これからしてかっこいい。特に2番目のものは、海で遊ぶ女の子達のロングショットに、パラダイスガレージの弾き語りがかぶさるというフィルムで、それ自体が短編映画みたいだった。
○そして本編。始まってすぐに「ここまでやるか」と思ってしまったほど凝った撮影手法の連発で、思わず笑ってしまった。極端な構図の連続で、何も皿や鍋まで透明にして下から取らなくてもいいだろうってぐらい。さらに、いくつもの映像が重なられたり、マンガの縦コマのように切り取られたりという手法も駆使されていたが、そんな映像感覚もそのうち心地よくなってしまった。僕は見てて飽きなかったけど、「キネマ旬報」とか買って読んでるような映画ファンにはどう評価されるんだろ?
○また、冒頭のシーンからしてエヴァの匂いも感じたし、ラストの自問自答といい、エヴァとの連続性もはっきりとうかがえた。人間の関係性という問題に収斂していったテーマも、隠すそぶりも無いほどエヴァ的で、逆に驚かされてしまったぐらい。しかし視点を変えれば、それは庵野秀明の内面世界を見事に物語っていた証拠でもあるのだろう。
○ただ、テーマの面では、旧態とした倫理観で援助交際に結論を出してる印象も否めなかった。もちろんこれは村上龍の原作に沿った結果なのだろうけれど。あまりに美しいまとめ方は、エヴァでひたすらに繰り返された「終わりなき逡巡」に心酔した人々にとっては、やや不満を残すものだったろう。竹熊健太郎が「Quick Japan」で表明していた不満とは、おそらくこの辺りの問題ではないだろうか。たしかに宮台真司の本を読んだことのある人間には、現状への洞察という点では物足りなさを残すだろうが、あの作品で描かれた世界もまたひとつの真実なのだろう。
○全体としては、予想以上に「映画」としてまとまっていた。演出も、見る人が見れば一発で分かる庵野監督のお得意技が炸裂だ。役者もそれぞれいい味を出していて、特に手塚とおるの怪演は見もの。昔たまたま見た「中学生日記」の特番で主演を務めていた工藤浩乃はやはり可愛かった。そして僕が毎日見ている渋谷の風景が、汚いものは汚いまま、鮮やかに切り取られているのもちょっとした感動だった。
○エンディング・ロール最後のギャグははずし気味だったけど、庵野監督のあの図太さはなかなか爽快。帰りに寄った六本木でふと気付くと、主題歌「あの素晴らしい愛をもう一度」を口ずさんでいたのだった。



1月9日(金)

○まさか雪の影響をこんな形で受けるとは…と思ったのは、昼食を買いにセブンイレブンへ行った時だった。一瞬目を疑うほど棚に何も無いのだ、弁当もパンも。僕が通勤に使う電車も通常通り走ってたし、こんなダークホースが潜んでるとは思わなかった。仕方ないので店で食事を済まして会社に戻ったところ、ファミリーマートは通常通りの品揃えだったと聞いて再び脱力。
○EYECOM Files編「こんにちはアイドル」読了。タイトルこそ間が抜けているようだが、この本に込められたエネルギーは壮絶だ。この本の編集の中心になったのは、かつて発行されていたミニコミ「よい子の歌謡曲」関係者だというのだが、まさにアイドルに人生の一時期(あるいは今も)を預けた人間だけが体現できる熱に満ちている。舐めてかかるのは厳禁。
○冒頭からしてアイドルの定義が問われのだが、これがまた不毛なほどに多彩な解答が各人によって導き出されている。しかし、これが奇をてらったものではないことは読み進むほど明らかになる。拡散する「アイドル」という存在をマクロに捉えた結果がこの本なのだ。B級アイドル研究やチャイドルなどの新旧アイドル定番ネタを踏まえた上で、「ジャーニーズとフェミニズム」「アイドルと激痩せ」など独自の視点でも攻め込む。硬派な分析があるかと思えば、わけのわからないマンガもあったりで、硬軟のバランスも見事だ。この世を去った岡田有希子や堀口あやこへの深い愛情にも胸打たれるものがあった。
○中でも嬉しかったのは、「複雑な彼女達と単純な彼ら」と題された、非職業作家のミュージシャンのアイドル仕事の記事だ。かつて歌謡曲の作詞・作曲・編曲のクレジットを細かくチェックしていた僕のような人間にとっては、新たに知ることも多く、同時に懐かしい。またムーンライダーズの歌謡曲での仕事や、アイドル歌謡専門DJの記事も面白い。
○他にも「アイドルとしてのエヴァンゲリオン」や、CoCoとグレイトフル・デッドの比較など、引き込まれる記事だらけ。極めて広義の「アイドル」への愛情こそが、単なるアイドル本にとどまらないほどの視点をこの本が獲得する要因となったのだろう。もしあなたの本棚に「アイドル工学」「アイドルバビロン」なんて本が並んでいるのなら、ぜひこの「こんにちはアイドル」もその列に加えるべきでしょう。



1月8日(木)

○今日はどこの日記にも書いてあることだろうとわかっていても、やっぱり雪に触れてしまうのが東京人の性というもの。雪がドバドバ降って街を白く染め上げていく様子を見ていて思ったのは、「デジカメ持ってくりゃよかった」なんてことだった。デジカメを買って以来、すっかり記録癖がついてしまって、とりあえず何でも撮っておかないと気が済まなくなってしまったようだ。
○正月にWOWOWで放送されたエヴァの「DEATH & REBIRTH」のビデオを会社の先輩から借りる。とりあえずアタマの庵野監督が登場する部分だけ見たのだが、これがなかなか面白い。冒頭でパラダイスガレージとおぼしきサウンドが鳴って、何が始まるかと思ったら、庵野監督が延々テレクラで話しているだけ。相手の女に説教されたりしながら、やがて別の女とエヴァの話になり、そこに庵野監督の心情吐露が交錯していくというシロモノだ。少々あざとさも感じたが、この図太いぐらいの神経があってこそ、エヴァの次にとっとと「ラブ&ポップ」に取り掛かれたのだろう。撮影はバクシーシ山下とカンパニー松尾のV&R勢。でも「text:庵野秀明」とあったことからすると、ひょっとしたらこれって「ラブ&ポップ」以降の庵野監督最新作になるのかな?



1月7日(水)

○昨年12月に買った「Pop Culture Critique 0.」をやっと読了。青弓社から創刊されたアニメ・マンガ評論誌で、宮崎駿特集の同「1.」と同時発売。「『エヴァ』の遺せしもの」と題された「0.」を買ってしまったのは、僕の悲しい性ゆえだ。文字が詰まった誌面は、その3分の2ほどがエヴァ関連で、その他が「ぼのぼの」「装甲騎兵ボトムズ」などの作品についての評論。そして肝心のエヴァ評論なのだが、独自の視点を持った内容でそれなりに読ませはするものの、今ひとつ新味が無い。難解な言葉を弄するばかりで、自家中毒になっている評論もある。結局、どれも他のメディア、特に第三書館の出版物で語られてきたような印象のものばかりだったのは残念だ。個人的に面白かったのは「美少女コミック研究序論」。そのジャンルの表現形式の特徴や、専門誌同誌の比較などを、過去の文献にも当って検証したなかなかの労作だ。「ホットミルク」って雑誌を、一冊も本屋で見つけられないの悔やまれる。どこで売ってるんだ。
o u t d e xを久々に更新。11月分のCDレヴューを今頃になってUPしました。怠け癖出してスイマセン。



1月6日(火)

○今日から仕事始めだったが、自分でも驚くほどやる気が出ない。久々の早起きのために頭の中も慢性的にぼやけていて、それがかえって新鮮だったりもした。今週はリハビリ週間になりそうだ。
ガロ2月号、安野モヨコ「脂肪という名の服を着て」、EYECOM Files編「こんにちはアイドル」購入。今月号のガロには南Q太が登場、また2ヶ月連続で津野裕子の作品が読めるなんて夢のようだ。いや、大袈裟じゃなく。「こんにちはアイドル」は、アイドルという虚構を作り出すシステムを切り取る本。現在オルタブックスから同類の本が出ているが、「あのアイドルのその後」的な印象だったので、「こんにちはアイドル」の方を買ってみることにした。なにより、アイドル方面におけるムーンライダーズの仕事についての記事がある点が、僕の心の琴線に触れてしまったのだった。
○安野モヨコは、「ハッピーマニア」を読んだ限りでは「勢いの人」というイメージでそれほど印象に残らなかったのだが、この「脂肪という名の服を着て」でかなりイメージが変わってしまった。強迫観念の描き方や伏線の張り方など、なかなか上手い。ラストのまとめ方も秀逸だ。何か物足りない気もするのだが、彼女の白っぽい絵は虚無感を描き出すには向いているのかもしれない。
○帰宅後、3月1日のさねよしいさ子ライヴのチケットが今日発売だったと知り、半分パニック状態で会場の店に電話。何度掛けても話し中で駄目かと思ったが、10分後に予約成功。インターネットでその情報を知っただけに、ネットって本当に便利だとつくづく思ってしまった。



1月5日(月)

○世間じゃ今日から仕事始め。しかし僕にはあと残り1日の猶予があったんで、正月休みを有効に使おうと試みたが、o u t d e xの原稿を途中まで書いたところで日付が変わってしまった。今夜からは就寝時間を3時間早めなければ。
○とり・みき「SF大将」読了。まず目を引くのは、祖父江慎による幾何学的にしてポップな装丁だ。これだけでしばらく見ほれてしまった。しかもカバーにとどまらず、丸ごと1冊が目の眩むようなカラフルさに彩られている。さらに横組みと縦組みのマンガの2種類がある上、パロディーの原点となったSF作品の解説もあるという、マンガの単行本としては凝りに凝った構成だ。
○SFに関しては僕は完全な門外漢なのだが、相変わらずの奇想の嵐ともいうべき内容で、充分に楽しむことが出来た。独特の間も健在なので、非SF者でも安心。でも、SFに詳しかったら原典からの飛躍ぶりも楽しめるんだろうなぁ…なんてことも頭をよぎってしまった。僕には未知のディープな領域が、オタク世界には残されてるんだなぁ。



1月4日(日)

○大学時代のサークル仲間で新年会。昼に原宿駅で集合し、明治神宮へ初詣。おみくじを引いたら、和歌が書いてあっていまいち分かりづらいのだが、「人の言葉を良く聞け」ということらしい。いきなり説教された気分だが、それも有り難く聞かなければならないのだろう。
○原宿駅前の喫茶店は妙にすいていたが、案の定「正月価格」だった。「業者が来なくて…」なんて、聞いてもないのに説明してくれた。そして我々は、あのカップルは別れただの、誰が職を辞めただの、誰の所在がわからないだの、自分達や他の連中の近況をベラベラ話す。飲み物を飲み干して、水も飲み干しても年増のウェイトレスは水を注ぎに来なかったが、構わず話し続けた。
○夕方には表参道の中華料理店に入る。メニューを覗き込む仲間たちの顔を見るぶんには、あんまり歳を取ったって感じはしなくて不思議な気分。僕はビールを少し飲んだだけでウトウトしてしまい、何でこんなに疲れてるんだ?と自問してしまった。例の年末のイベントのせいだろうか。



1月3日(土)

○寝正月が深刻化。あまりに何もしないことが不安要因になるのは、貧乏性の証拠だろう。せめて散歩にでもと、近所の書店まで行く。ビルの2階と3階を占めるその店は、2階が通常の書籍・雑誌、3階がマンガとパソコン関係になっているのだが、今日いったら青林堂フェアなんてものをやっていて驚かされた。以前から青林堂コーナーがあって重宝していたのだが、まさかフェアまでやるとは。マンガのみならずビデオまである品揃えぶりだ。欲しいブツはすでに買ってあるので、とり・みきの新刊「SF大将」を買う。また、マンガ家を目指すアマチュア向けのテクニック誌「COMICKERS」も買ってみた。僕自身は絵なんて描けないんだけどね。
○更新が停滞中のページ群を何とかしたいとは思うものの、どうにもやる気が湧かない。完全に暇な状態よりも、会社のせいで時間が無いというような、ある程度の抑圧がある状態の方が、逆に制作活動に意欲が湧くもののようだ。要は僕が怠惰なだけなんですが。



1月2日(金)

○電車に揺られること1時間半、女友達Kの家へ。先日やっと使い始めたメールソフトの調子が悪く、しかも新しいメーラーを入れても、配信に時間がかかるという。冬コミ後のマンガ談義も兼ねて行くことにしたのだが、結局そっちの方が長くなってしまったのは悲しい性というものだ。
○問題のメーラーはMicrosoft Exchange。しかもブラウザも買った当時のままのInternet Explore 2.0だというので、さすがにこれは使いづらいだろうと、先日Internet Explore 3.2のCD-ROMを貸したのだ。これならInternet Mailも付属している。問題のあるブラウザ&メーラーではあるが、やはりタダにはかなわないし、Internet Explore 4.0ではないのがせめてもの配慮ということで。
○ところが実際に行ってみたところ、彼女は、Internet Mailだと思い込んでMicrosoft Exchangeを使っていたという衝撃の事実が発覚。このソフトは、メールを送信したつもりでも実際には送信トレイに一旦入れられるので、初心者には誤解を招きやすいのだ。で、Kはその誤解をまんまと犯していたというわけ。代わりにInternet Mailを文字化けしないよう設定し、やっとメール環境の整備に漕ぎ着けた。なんでこんな間違いを…と思いもしたが、考えてみれば自分も初心者だった頃は、署名とは何かや半角かな禁止も知らなかったのだから、同じようなものだろう。帰宅後、テストとして僕のアドレスに送ったメールを無事確認。
○昨年2月に開設したSWAYが、ひっそりと5000アクセスを突破。現在活動停止中のグループのページがここまで見ていただけるのは嬉しい限り。1日10人も見てくれればいいか…と始めたページなのだが、何度となく「こんなページがあったなんて!」という言葉を頂けた。日頃のご愛顧に改めて深謝します。



98年1月1日(木)

○えっ、今日元旦なの?ってな感じですが、新年明けましておめでとうございます。恒例(と言っても2年目だけど)のお年賀ページも作成しましたので、どうぞご覧ください。
○昨日は大晦日の実感が無かったように、今日も元旦という気がしない。なんかいつもの休日のようで、冬コミで買った同人誌など読んでいた。
○それでも年賀状は届くので返信を書く。「結婚して初めてのお正月を迎えました」なんて写真入りのハガキが3通も来て、俺らもそういう歳になったんだなぁ…と実感。また、年賀メールも30通ほど発射する。ハガキだと、元旦に届けるためにはそれ以前に投函しなければならないけれど、メールは即日届くのだから便利だ。知り合いからも年賀メールをもらったが、今年はお年玉くじ付き電子年賀状が10通近くも来た。友達から1通もらうと、他の友達にも送るので、ネズミ算式に利用者が増えるんだろう。見事な宣伝媒体だなぁ。
○ところでこのページも、新年に合わせてリニューアルをしたかったのだが、僕の怠慢のせいで見送りです。正式オープンから1年たっても相変わらずの「小心者の杖日記」ですが、今年もよろしくお願いいたします。




97年12月の日記を読む
97年11月の日記を読む
97年10月の日記を読む
97年9月の日記を読む
97年8月の日記を読む
97年7月の日記を読む
97年6月の日記を読む
97年5月の日記を読む
97年4月の日記を読む
97年3月の日記を読む
97年2月の日記を読む
97年1月の日記を読む
96年12月の日記を読む


SUB-CULTURE & OTAKU FOR YOUR LIFE


極私的使用目的リンク 「地下水道」



日記猿人
munekata@da2.so-net.or.jp