Vol.3 1999



「アニメ批評」創刊準備号 (マイクロデザイン出版局)
 俺ってアニメのマニアじゃないんだよなぁ、なんてことを再確認させられたのはこの本を読んだから。僕は割とよくアニメを観る方だけど、エヴァ→ウテナ→カウボーイビバップ→lain→カレカノという流れは割とメジャー路線なんだろう。「ガラサキ」や「オーフェン」なんてのはこの本で初めて知ったようなもんだし、マニア層との距離は結構大きいのだ。アニメ雑誌も買っていない僕にとって、「アニメ批評」は現状をディープな所までまとめて教えてくれる便利な本だった。

 特集は、日本国内の制作現場、原作つきアニメの葛藤、アジアのアニメの現状、それにアダルトアニメという4本柱。いきなり「アニメは一体何処にいくのか?」と大きくブチあげてるけど、アニメ番組の増加・放送枠のカテゴリ化・業界のメディアミックスなどの基本的な情報から、本筋を外れた小ネタまで、上手くまとめられている印象だ。

 個人的に面白かったのは、日本には「普通のアニメ界」と「ディズニーアニメ界」の他に、「サザエ界」という伝統芸能のような職人世界が存在するという記事。「サザエさん」の進歩の無い表現にはある種の気味の悪さすら感じていたんで、なんか納得してしまった。あと、GAINAXの佐藤裕紀インタビューを読むと、「俺らはもうエヴァの先を見てるんだぜ」っていう自負を持っていることがよくわかるな。

 今回は「創刊準備号」ということで、まずは現状のリポート中心だった印象。次回からはさらに作品単位での批評が増えてくれると個人的には嬉しい。

(FEB/23/99)