Vol.28 2000



米原康正編「OUT OF PHOTOGRAPHERS」 (ベターデイズ)
 新潮社の「アウフォト」って元は「egg」を作っていた人の手によるものなのかといまさら知ったのは、「OUT OF PHOTOGRAPHERS」を読んだから。素人の投稿写真を掲載している「アウフォト」改め「アウ」の編集版が「OUT OF PHOTOGRAPHERS」で、モンスーンクルーが制作を担当している。収められている写真は偶然性に負うところの大きいドキュメント性の強いもので、そのぶん自意識は控えめかあまり歪みのない形で表現されているのが特徴。そして10枚に1枚ぐらいの割合でハッとさせられるような写真がある。この本は、少し黄ばんだ色合いと輪郭のぼやけた画質の向こうに共通して存在する感覚を巧みにすくいあげていて、同時にかなり厳選して写真を収めていることをうかがわせるクオリティだ。

 さらに「OUT OF PHOTOGRAPHERS」では、そうした写真の隅にアパレルブランドのロゴを載せて、モードの先端っぽく見せるという実験も行なわれている。でもこの本に収録された写真はあまりにリアルであるために生活臭もそのままで、ブランドに疎い僕にはちょっと判断がつかないきわどさがあった。さらに文章には全て英訳が付いた海外輸出仕様なのだから、徹底して「攻め」の姿勢の写真集なのだ。

(JUL/17/00)